出光系で燃料や潤滑油などを販売する鳥井油業(鳥井均城社長)は、本社近くで運営するガソリンスタンド(南区宇品御幸3―16―1)を全面改装し「グリーンセルフ宇品SS」として4月4日に本開業する=イメージ=。出光興産が2022年から展開する、国産木材を使う環境配慮型サービスステーション(SS)で、同タイプのSSは中国地方で初めて。改装前からいずれも倍増となる月間の燃料販売200㌔㍑、洗車売り上げ100万円を目指す。
広島電鉄宇品線が通る道路に面し、施設面積666平方㍍。昨年1月から一時閉店していた。改装後は同時に最大3台が給油できる。最新型の洗車機1台を備え、3台分の拭き上げスペースも確保。従来は店員が給油や簡易清掃を行うフルサービス店舗だったが、改装に伴いセルフ式にした。午前7時〜午後10時の営業。キャノピーなどの構造物には木材を使い、ぬくもりのある雰囲気とする。木材は主に岡山県産で、ひき板の繊維方向が並べた層ごとに直交するよう重ねて密着させたCLT(直交集成材)を採用。コンクリート以上の断熱性能や高い耐火性、耐震性を持つという。また木がCO2を吸収して内部にとどめる固定化効果といった環境面のメリットも見込む。高山薫専務は「近年は植物由来バイオ燃料の取り扱いや太陽光発電の販売代理店業を始めるなど、環境保全の取り組みに力を入れている。このSSがその象徴のような存在となれば」と話す。1983年設立。SS以外に、南区月見町の拠点で各種油類の外販のほか、ディーゼル車の排ガス規制対応に必要な高品位尿素水「アドブルー」の配送を手掛ける。2018年頃からはSDGs活動の一環として、東北〜九州の赤十字血液センターと連携。災害時に使う発電機用の燃料供給に関する協定を結んでいる。
担当記者:近藤