看板制作のタテイシ広美社(府中市河南町、立石良典社長)は昨年12月、EV(電気自動車)充電スタンドの製造を本格的に始めた。アミューズメント施設跡などを取得して昨夏、同市父石町366の敷地8100平方㍍に3棟延べ2480平方㍍の第4工場を整備。新電力事業者から2026年までに3万台の受注を見込む。板金設備一式やシルクスクリーン印刷機数台を導入した。月800台を製造。太陽光発電などの再生可能エネルギーを使うデジタルサイネージの組み立てのために、22年に同市篠根町に設けた第3工場でも一部の製造を担う。両工場の総投資額は約3億円。30年までに30万口の整備を掲げる政府方針を受け、全国でスタンドの設置が加速している。同社は看板のほか、LEDを使う電光掲示板や、デジタルサイネージなどを製造し、電子機器分野のノウハウを生かせると判断。2年ほど前から、充電器を覆うフレームをコンパクトにしてデザイン性を高めたものなどさまざまな種類の試作を進めていた。充電器の場所を知らせる看板なども合わせて請け負える強みを打ち出す。第4工場は空きスペースがあり、今後、宿泊施設の整備を検討。また、敷地内に飲食店や温浴施設、コインランドリーなどを誘致して雇用やにぎわい創出につなげる。再エネのデジタルサイネージの引き合いも増加しており、今春から複数の飲食チェーンに納入する。