ドローンで救援物資
昨年元日の能登半島地震から1年。半島特有の奥まった地形に加え、道路陥没などで頼みの陸上交通が滞り、復旧作業は困難を極めているという。大きな教訓を残した。広島県の安芸太田町は山あいの地形のため台風、地震などで道路が寸断されるとたちまち物流困難に陥る。建設業の中電工業(南区出汐)は昨年11月22日、孤立した集落にドローンで救援物資を届けられるよう安芸太田町と協定を結んだ。同社は山間部に大半が位置する送電鉄塔塗装工事を年間約800基超施工。遠いところは徒歩で片道2時間以上かかる現場もあり、山道での運搬作業は極めて過酷。2023年度から本格的にドローンを活用し、運搬作業を数分で行えるようになったという。石井浩一社長は、「無事故で通算3500フライト以上の実績がある。これまで培ってきた技術・ノウハウを生かして社会貢献できればと考えている」
東広島JC互礼会
東広島青年会議所(JC)の新年互礼会が1月14日、広島エアポートホテルフォレストヒルズガーデンで開催された。1月に就任した49代目の橘高智一理事長(キッタカホンダ販売専務)は新年の所信として活動方針などを述べた。「変革が求められる時代に自身の可能性を閉ざすことなく、少しでも背伸びをして殻を破ってほしいという思いを込め、スローガンに〝NO LIMIT〜無限の可能性を信じ、勇気を持って挑戦しよう〜〟を掲げました。われわれが主導する国際交流イベントなど多文化共生への取り組み、外国人観光客の誘致などを通じた地域産業の活性化、JCのネットワークを生かした災害時の連携強化など、メンバー一丸で取り組んでまいります」髙垣廣徳市長は、「昨年は市制50周年の節目に当たり、市民参加型のメモリアルパレードを実施。特別参加した東京ディズニーパレードなど、JCが主導した記念イベントは7万人を集め、盛大に祝っていただいた。今年は乙巳(きのとみ)でまさに成長、変革、さらなるチャレンジにふさわしい年。新しいことに挑戦する皆さまとうまく連動し、次世代の学園都市を目指し発展させたい」
バスでも呼び掛け
全国健康保険協会(協会けんぽ)広島支部は、医療DXの基盤となるマイナ保険証の利用促進へ、あの手この手を展開している。従来の健康保険証の新規発行は昨年12月2日をもって終了。今後は原則、マイナ保険証での受診が基本に。ただしマイナ保険証を持たない人には資格確認書が交付される。高額療養費の限度額適用認定証の利用者が多い137医療機関(含む県外3)へ利用促進に係る協力依頼文書を送付。加入3万事業所には文書や一部電話で勧奨したほか、1月からは県バス協会加盟15社にマイナ保険証の利用を促すポスター計640枚を配布してバス車内に順次掲示してもらう。松原真児支部長は、「昨年10月の広島県の利用率は全国平均15・67%に対し、18・26%で全国11位。多くの方が利用するバス会社に協力をお願いし、県と共催でポスター作戦を考えた。マイナ保険証は利用すれば利便性が実感でき、患者の医療情報を正確に早期に把握できる上、電子カルテ情報の共有も定着してくると、助かる命の確率が高まってくると期待されている。まずは使ってみようという意識喚起に努めたい」
好奇心こそ源泉
本のはじめに「好奇心は科学者の源泉である」と切り出す。広島大学名誉教授で同大の未病・予防医科学共創研究所長の杉山政則教授(74)が昨年12月、著書「科学者があれこれ好奇心で和歌をよむ」(渓水社)を刊行。微生物学者でありながら和歌を詠むようになったきっかけは、2022年後期のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」でヒロインの舞に幼なじみの貴司が「君が行く 新たな道を照らすよう 千億の星に 頼んでおいた」と詠んだ短歌に感動し、あれこれ好奇心のアンテナが動き出したという。それから短期間のうちに和歌の歴史をひもとき、和歌の世界を独自に分析。幅広く探究心を働かせている。自らも大学に通勤する道すがら創作のアイデアが浮かぶと自転車を止めて記録するほど、のめり込む。自作のうち「愛しき人・友人を想う詩」に、 亡き父の 創る短歌の 輝きに 勇気もらう 満開の梅俳句の会を主宰していた父をしのぶ。「研究論文をいくら書いても専門分野の人にしか手にとってもらえない。もっと多くの人に、こんな科学者もいることを知ってもらえればと思う」紫式部、西行、松尾芭蕉、正岡子規、与謝野晶子から俵万智、科学者の湯川秀樹、寺田寅彦、牧野富太郎らにも独自の考察を交えながら紹介。科学と芸術には案外と相通じるところがあり、好奇心こそ生きていく源泉なのだろう。
くらくらする初濃い
三次市三和町の美和桜酒造は1月12日、若者をターゲットに昨年5月発売した純米酒「みわさくら くらくらする初濃いの味」の無料試飲会を紙屋町シャレオの多目的スペースで開いた。人気イラストレーターaya.mさんがラベルをデザイン。日本酒を楽しめるチョコレートや米菓子のペアリングも提案し、純米酒特有の甘みを引き出すぬる燗(かん)やレモンティーで割るカクテルも販売した。同酒造の坂田恭子さんは、「若者向けにアルコール度数を下げる傾向もあるが、あえて15度の伝統的な純米酒をブランディング。初めての日本酒は『二口目から美味い』とキャッチコピーを掲げた。飲むほどに味わい深くなる純米酒の魅力を知っていただきたい。食中酒としても楽しめます」
将来、共に働く仲間
障害のある人も、ない人も、互いを認め合い、支え合いながら未来を築く「共生社会」の実現を目指し、障害者才能発掘コンテスト実行委員会は1月25日、中区胡町の喫茶店「ユタカ」で、障害者が手掛けた商品などを販売する「第1回おかパンマルシェ」を開く。当日は、県内の就労継続支援B型事業所や企業など7事業所が参加予定。弁当、果物、スナック菓子や手作りアクセサリーの販売のほか、筆跡診断やスマートフォンの相談会も実施する。高校卒業後に難病を患い、現在も車椅子生活を送る実行委員会代表者の岡洋平さんは、自身が参加した「ミセス&ミスターオブザイヤー2023広島大会」で知り合った人と思いが一致して実行委員会を立ち上げ、3人で活動中。秋頃を目途に初開催する「障害者才能発掘コンテスト」への参加者や協賛社を募る狙いもあり、今回のマルシェを企画した。「健常者と障害者が共に楽しみ交流できる新たな場を目指した第一歩。数年後、健常者と障害者が共に働ける新会社を目標に今後もマルシェを継続し将来、共に働いている仲間と出会えたらうれしい」