巻頭特集 2026年1月5日

農林水産 カキ大量死に迅速対応 県は融資の利子負担

出荷量全国1位のカキが大量死したことで養殖業の継続が危ぶまれ、広島県は庁内関係部署で構成する「かきへい死対策に向けた庁内連絡会議」を昨年12月に立ち上げた。情報収集や対策検討を幅広く進める。

横田知事自ら養殖の現場を訪れ、状況をヒアリング。具体的な支援策を決めた。経営を維持するために必要な運転資金に関する融資の利子を負担(地元市町と折半予定、1事業者の融資額は最大5000万円、返済期間10年以内)、漁場環境や養殖工程などの詳細な調査、有識者の意見を踏まえた原因分析などを行う。

県は国へ支援を要望し、セーフティネット貸し付けの無利子化や国税支払い猶予、来期以降の生産に必要な資機材調達の補助などが実現した。呉市は1事業者当たり50万円を給付し、東広島市がクラウドファンディングで寄付を募るなど、各市町でも取り組みが広がる。将来的に海洋環境の変化が予想される中、養殖技術の進化も求められそうだ。

瀬戸内さかなPR

漁業の担い手の減少も大きな課題だ。県は市場や飲食店と一体となって地魚のブランド化に取り組んでおり、「瀬戸内さかな」とネーミングし、シンボルマークも作成した。昨年から市中央卸売市場で「こだわり漁師」の競りを開催。競り落とされた魚は漁師の写真とこだわりが分かる札と共に飲食店へ届けられる。

瀬戸内海は少量多品種の漁場で漁獲量も一定ではなく、流通モデルを維持することが難しかった。そこで評価軸を魚から漁師のこだわりにシフトし、飲食店へ広く流通させてブランドの価値向上を図る。広島県の海は、多くの魚を育む「ゆりかご」と言われる。瀬戸内海の中でも比較的浅く、干潟や藻場などに魚が産卵にやって来る。季節によって水温の差が大きく、四季折々の旬の魚が豊富に取れる。

漁師たちは漁場選びや漁法の工夫、魚の扱いや下処理にも細心の注意を払っている。周知を狙い、ウェブサイト「瀬戸内さかな」に魚種や漁師、提供店舗、グルメイベントなどを掲載。出荷先の小売店や料理店でも、こうした情報を介在することで口コミが広がり消費が拡大。漁業を志す人が増える効果を期待する。

スマート農業を促す

県内農産物生産量はかんきつ系のシェアが特に高く、レモンとネーブルオレンジが全国1位、ハッサクが全国2位。このほかクワイやワケギも1位で、鶏卵も6位と存在感がある。県は持続可能な農業の実現へ、スマート農業を促す。例えば栽培に関する情報のIoT管理やリモートファーミングロボットを活用し、ビニールハウスで育てるアスパラガスの高収益で省力的な栽培技術の確立といった実証試験を進めている。

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