1人乗り小型モビリティー「ミボット」を開発するスタートアップのKGモーターズ(東広島市西大沢2―2―9、楠一成社長)は来年秋をめどに、量産工場「ミボット・コア・ファクトリー(MCF)」を同所で稼働する計画だ。キーレックス(海田町南明神町)にボディー製造を委託。8月の予約開始から1カ月で受注が1000台を超え、25年度の300台を皮切りに、順次生産台数の拡大を目指す。
堀田木工所が所有する敷地2万平方㍍の一部2階建て延べ3300平方㍍を賃借。11月に引き渡しを受け、12月1日付で本社を同市志和町から移した。これから設備の搬入を始める。キーレックスは量産化に向けた設計業務のほか、製造委託の形で工場一画に入り、ホワイトボディー(塗装直前の車体)の組み立てなどを担う。KGは全般の製造工程を手掛け、両社が連携しながら量産化を目指す。2年目に3000台、3年目に1万台の生産を計画。生産台数に合わせ、順次設備投資を重ねる。敷地内の遊休地も使った場合、最大10万台の生産が可能と試算する。ミボットは1人乗りのセンターポジションで全長約2・5㍍、全幅約1㍍と軽自動車より小さい。部品の共通化や機能の絞り込みなどでコストを抑え、初回ロットの販売価格は100万円(税込み)とする。12月31日に最終の仕様情報を発表予定。同社は2022年に創業。これまでにキーレックスをはじめ、環境エネルギー投資(東京)などから計6億3000万円を調達。今後も資金調達を進める。今月はデジタルメディア「日経クロストレンド」の「未来の市場をつくる100社」に選ばれた。
担当記者:梶原