写真集制作などのアスカネット(安佐南区祇園、松尾雄司社長)はキャラクターを投影して動画を配信するVチューバーとファンが、仮想空間で交流する「マリネdeみーと」事業を強化する。観光地で行うことで、広域から人を呼び込んで観光振興につなげる。来年3月の徳島県のイベントを皮切りに、全国の自治体に採用を呼び掛ける。CGコンテンツ制作などのミラクルマイル(東京)と協業。現実と仮想の世界を重ね合わせて表示できるVRゴーグルを使い、1対1で会話や写真撮影を楽しめるファンミーティングの仕組みを開発した。徳島県と連携するイベントはVチューバーの音楽ライブと併催。県南部に10人ほどのファンを実際に集め、観光スポットを巡る。その間に10分ほどの交流時間を設ける。Vチューバーは現地に行かないが、カメラを介して参加者と同じ景色を見られる。参加費は1万円程度を想定。今夏、広島市内で開いた音楽ライブは来場者約200人のうち半数以上が関東など県外客だったことから、広域からの集客力を見込む。昨年に東京のVチューバー事務所を子会社化するなど、クロスリアリティー分野を強化。5月にマリネdeみーとを東京拠点で始めたところ、「〝推し〟(応援している相手)が目の前にいるように感じられる」、「大人数で行う従来型のファンミーティングと異なり、デート気分を味わえる」などと好評だった。印刷技術を生かし、Vチューバーのイラストをあしらうアクリルパネルなども扱う。各種イベントを通じてファンの裾野を広げ、グッズの販売増にもつなげる。
担当記者:大島