LPガス容器製造で国内トップシェアの中国工業(呉市広名田1-3-1、野村實也社長)はFRP(繊維強化プラスチック)製のLPガス用小型コンポジット容器「プラコンポ」のラインアップを拡充している。従来の20㌔㌘用に加え、8月から17㌔用を販売開始。2024年度内に8㌔用を発売し、FRP製を同社製容器全体の1割まで高める狙いだ。
プラコンポは鋼製に比べ重量が約60%と軽量な上、製造時のCO2排出量を約32%削減できる。一方、同等容量の鋼製容器と比べると約12㌢高く、バルブの位置が合わずに使いにくいといった声を受けて鉄製容器の充填口と高さが同一の17㌔容器を用意した。同じくらい軽いアルミニウム合金製容器に比べプラコンポの方が割安という。8㌔用は、これまで輸入販売していたノルウェー・ラガスコ社との契約が2月に切れたのを受け、同等容量容器の自社生産を開始。満タン充塡時13㌔前後と持ち運びが可能なことから、バーベキューやキャンプ、屋外イベントなどの需要を見込む。電源不要で屋外でも点火が可能なガスストーブなど、災害時の備えとしても訴求する。今後もフォークリフト燃料などの用途がある15㌔ほか、10、30、50㌔などの品種を計画している。細川光一常務は「たとえ炎に包まれても爆発しないなど、強度と安全性にも優れる一方、20年間の使用期限後の処理が課題。鋼製容器はスクラップで再利用できるがプラコンポのFRP部材は現状では産廃処理するしか手段がない。後処理について県と共同研究を進めており、普及への道筋を付けていきたい」と話した。
担当記者:高見