自動車販売業のティーズカンパニー(佐伯区八幡東、塚本雅彦社長)は、新事業で独自開発したミニボート「ミニタグ」の生産を加速する。生産委託先の群馬の業者はコストや納期などに課題があり、10月に県内業者へ転換。船体製造をFRP(繊維強化プラスチック)加工業者に任せ、船体加工など新事業に注力する黒田運送(廿日市市)で組み立てと検査を行う。効率的な生産ができるよう設計も見直した。12月頃から本格的に始め、2025年末までに月2〜3隻の安定生産体制を整える。同製品は海外のミニボートを参考に塚本社長がデザインした全長330㌢㍍以下の2馬力ボートで、免許不要で子どもでも操縦できるのが特徴。耐久力があり、船舶免許保有者向けに最高速度を約10㌔㍍から25㌔㍍へ引き上げる9・9馬力エンジンも搭載できる。全国の海・川・湖に面した観光地に新たなレジャー用アクティビティとして訴求し、既に20件以上の注文を受けている。船体のエンジン(船外機)搭載部分はエンジンのサイズ別だった設計を統一し、生産の効率化を図る。塚本社長は「法律上2馬力ボートに船舶検査は不要だが、規格の見直しに併せて全船に9・9馬力向け検査を適用し、安全性を十分に保証。誰でも安心して操縦できる商品を提供したい」と話す。今年10月には新しい船体をテスト生産し、本格的な量産に向け最終調整中で、25年3月に横浜で開催されるジャパンインターナショナルボートショーに出展を計画する。船体の共通化に伴い船体と動力源を別売りに変更する。船体価格は184万8000円(税込み)。動力源は交換可能で、軽油式2馬力エンジン22万円、バッテリー式モーター49万5000円〜、9・9馬力エンジンはリモコン付きで55万円。9・9馬力は国内では船舶免許が要るが米国やカナダは不要なことから、海外市場を開拓する。
担当記者:額田