中小企業等の事業主や従業員とその家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)広島支部(松原真児支部長)の2024年度健康保険料率が9.95%に決定した。前年度から0.03㌽の引き上げだが、引き続き平均保険料率の10%以下を維持。全国一律の介護保険料率(40〜64歳の介護保険第2号被保険者対象)は前年度から0.22㌽引き下げの1.60%に決まった。これで保険料納付額は標準報酬月額30万円の場合、健康保険料は労使折半で45円の負担増、介護保険料は330円の負担減。前年度は12年ぶりに10%を切ったが、加入者一人当たりの医療給付費が全国平均の伸びを上回ったため引き上げとなった。同給付費(支出)の伸びが賃金(収入)の伸びを上回る赤字構造が続き、高齢者医療への拠出金が今後も増加する見通しだ。松原支部長は「関係諸団体との顔の見える地域ネットワークを構築して地域や職域の健康づくりに取り組み、健康経営・ひろしま企業健康宣言の普及に努めていく」とし、引き続き特定健診や特定保健指導の推進、重症化予防の対策、コラボヘルスによる健康経営の推進を強化する。4月から対象年齢が拡大される生活習慣病予防健診の付加健診の活用を推奨。健保組合の解散を受け加入者数が増加傾向にあり、広島支部は5万9300事業所・104万3467人(23年9月時点)を数え、県民の4割弱が加入している。