過去最多の来島者数465万人超を記録した2019年に迫る宮島。9月は単月で初の40万人を突破し、紅葉シーズンには一層多くの観光客でにぎわいそう。(社)宮島観光協会の中村靖富満会長(やまだ屋社長)は、「国策で2030年までに訪日外国人旅行者数6000万人、旅行消費額15兆円の目標を掲げる中、宮島は欧米豪をはじめ東南アジアや最近は印度、中東からも増えている。富裕層からバックパッカーまで多様な観光需要に応えられるよう、今まで以上に受け入れ態勢の充実が求められている。豊かな自然、歴史、文化の魅力を国内外へ発信しながら、G7効果によるインバウンド増の対応力に磨きをかけ、この絶好のチャンスを逃してはならない。信仰の島ならではの地域コミュニティが隅々に機能し、もてなしの心が伝わる宮島らしい観光を次代へ発展させていきたい」島東部の包ケ浦自然公園では高級宿泊施設の誘致計画をめぐって是々非々が問われているが、多様化に対応する底力を発揮してもらいたい。

ターコイズ(トルコ石)のように鮮やかな青さの海を守る。7月にマツダの毛籠勝弘社長が命名した、環境負荷の低いLNG(液化天然ガス)燃料の新造運搬船「ターコイズエース」の見学会が11月4日にあった。防府と宇品工場で車を載せ、1カ月半かけて欧州などへ輸出する。7万7695総㌧、長さ199×幅38×高さ51㍍。運航する商船三井の担当者は、「自動車運搬船で国内最大規模。他メーカーを含め5500台ほど混載するが、マツダ車が多くを占める。シリーズ2隻目で、3月完成のセルリアン(澄んだ空色)エースは向井武司専務に命名していただいた」同日、両社は小中学生の親子19組38人を招待。バック駐車で10㌢間隔に整列させながら積まれていく様子に拍手喝采が起き、ベルトで車を固定する体験も楽しんだ。自動車業界に興味を持ってもらう狙いは成功だったようだが、近年は外航船員の採用難も顕著に。若者が長い航海生活で退屈しないよう、新船は洋上でもネットがつながりやすい環境を整備したとか。

伊藤園グループから就任したチチヤス(廿日市市大野)の前社長が財務安定化などの使命を果たし退任後、7月24日付で経営のバトンを継いだ久保貴義社長(54)は1992年にチチヤスに入社以来、一貫してヨーグルトの開発製造に携わってきた。当人にとっても思いがけないトップ人事だったよう。改めて振り返り、「実は、次期社長は親会社の伊藤園出身者が就任すると思い込んでいた。ファンド下で経営再建中のある日、私にあってほしい人がいるという。2人で事務所のベランダに出て景色を眺めながらいろいろと話をした。少し社内が沈滞化している時期だったが『君は元気がある』と背中を押された」後日、その人はグループトップと明かされた。どうやらベランダでの会話を通じて心をつかんだのだろう。

12月に創業50周年を迎えるポプラは11月5日〜12月30日に関西、中四国、九州地区の店舗で感謝キャンペーンを展開。抽選でカープ開幕シリーズ観戦ペアチケット(25組50人)やダイソン掃除機などが当たる応募キャンペーンのほか、50%増量で値段そのままの弁当を販売する。1974年12月に中区の流川にポプラ1号店をオープン。広島のコンビニチェーン黎れいめい明期に先陣を切った。店内で炊く炊きたてご飯を詰める「ポプ弁」をはじめ、店舗ごとの個性を尊重し運営オーナーの経営能力を最大限に生かせる運営システムを構築。独自路線を敷き、まい進してきた。岡田礼信社長は、「利便性の向上とこれまでにはない価値の提供とともに、引き続き運営や商品、サービスの独自性を追求していく。夢があるから苦労できる。創業者の目黒俊治会長の言葉を肝に銘じながら、新しい成長戦略を軌道に乗せていきたい」第1弾の12月2日までとんかつ弁当などを扱い、2弾の3〜30日は炭火焼肉風豚バラ弁当など。魅力も増量のポプ弁を堪能できる。両方の懐を満たしてくれそう。

100年生きたら、おもしろかった。そう思える社会になったら素晴らしい。訪問看護などのナースアンドクラフト(呉市)は「アジア健康長寿イノベーション賞」のテクノロジー&イノベーション部門の大賞を受けた。日本国際交流センターなどが主催し、健康長寿や高齢者ケアの向上を目指す各国の取り組みを表彰。ナース社は、人口約1600人で老夫婦や独居老人世帯が多く、急速に高齢化が進む大崎下島で訪問看護に加え、スマートウオッチ活用のヘルスケアサービス、島民との交流を盛り込んだ医療・介護従事者向け旅行プログラムなどを展開する。医療・介護資源が不足する離島でも高齢者が活動的で充実した生活を送れる仕組みを開発・実装した点が評価された。同モデルを水平展開すべく自治体と協議中という。深澤裕之社長は、「住み慣れた場所で健康に暮らし続けたい願いは各国共通。日本同様に高齢化が進むアジアへの展開を目指し、協業先を探している」今が一番楽しく、明日が楽しみになる社会の実現へまい進する。

広島大学は11月2日、東広島キャンパスに大学院生、理系学生の就活向け交流空間「アカリクラウンジ」を開いた。キャリア支援事業のアカリク(東京)と提携し、周辺に理系校舎が集まる東福利会館1階を改装。無料で学生のキャリア・就活相談に乗るスタッフが常駐し、セミナーや企業交流会などを開き支援する。学生支援担当の岩永誠副学長は、「理系学生のキャリアパスは情報不足。博士号取得後は大学で研究者になるものだという先入観から、研究意欲があっても大学院進学を諦める学生が多い。企業で研究活動を続ける道もあり、将来の選択肢を広げてほしい」同施設は奈良県に続いて全国2店目。アカリクは2034年までに100大学で設置を目指し、県内でも新店を検討するという。

10月13日の広島県実業団駅伝競走大会で2年ぶりの優勝を果たした中電工陸上競技部は、出張型の「あなたの街まで!中電工ランニングスクール」を参加費無料で企画し、中国5県の小中高校・クラブチーム対象に希望を募っている。陸上部選手が行うストレッチやフォームづくりを伝えるほか、元日のニューイヤー駅伝出場選手とのランニングや、サイン会などを計画。実施日程や内容は相談に応じる。「今夏には小〜高校生の50人を対象に山口県で初開催。皆さんの目標達成につながる取り組みになれば」(広報)

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