賃貸住宅・太陽光発電などのアイカナコーポレーション(南区松原町3ー2、河野芳嘉社長)は呉市倉橋町鹿老渡16549ー2に、空き家を再生した1棟貸し宿泊施設「お屋敷料理別荘 風待ち邸」を開設した。浅野藩の遠見山番所跡にテントやベンチなどを設置したほか、江戸末期の商家で九州の大名が宿泊した宮林家住宅の整備、「鹿老渡ブルーリゾート」として貸切船によるサンセットクルーズなどの体験・滞在型の事業を行っている。風待ち邸は、江戸時代に九州の大名が参勤交代時に汐待ち・風待ちで滞在した鹿老渡の港近くにある築50年の屋敷をリノベーション。敷地は約600平方㍍、2階建て延べ220平方㍍で、270平方㍍規模の日本庭園がある。

和室6部屋のほか、貸し切り風呂、リビング、バーなどを備える。海鮮料理・クルージングなどが付いて2人6万6000円〜6人13万8000円で、2月からヤフートラベルやエクスペディアで予約を始めた。呉市の「観光コンテンツ創出塾補助金」に採択された。1日1組限定2〜6人の体験型モニターツアーを行い、地元の第三勇盛丸のサンセットクルーズのほか、プライベートビーチの鹿老渡マリンではバーベキューや露天風呂入浴も可能。島内料理人による舟盛海鮮料理等も提供し、11月末現在で延べ231人が利用した。アイカナコーポレーションは1945年に安芸高田市で賃貸住宅業として創業し、97年に法人化。太陽光発電所運営のほか、2017年には廿日市市宮島町に「宮島町家ホテル 汐まち庵」を開業。20年には「宮島汐まち寿司つるみ」を併設した。21年に宮島の町家通りから門前西町家通り地区が国の重要伝統建物群保存地区に指定され、汐まち庵が文化庁による第1号指定物件となり、明治期の宮島町家特有の日棚(2階屋外テラス)など外観を復元した。