システム開発のスペースキャンプ(中区立町、藤川英士社長)は年内に、ビルメンテナンス業界に特化したクラウド型の基幹業務システム「ビルメンDX」を発売する。外注先との煩雑な調整作業を効率化するウェブサービスの無料公開も計画。広く利用を促すことで顧客候補となるビルメン会社との接点をつくり、同システムの拡販につなげる。ビルメンDXは空調・エレベーター点検など多くの業務を外注する業界特性に合わせ、見積書、請求書の作成、売り上げ・仕入れ処理、入金・未収管理などのバックオフィス業務をカバー。PDFやエクセル形式の見積書から、自動で契約管理台帳を作成する機能などでデジタル化を後押しする。毎月の作業計画や進ちょく、経費などを物件ごとに管理できる。100万円(利用者10人まで)で販売するほか、月額制(1人当たり5000円)もある。清掃員などの現場スタッフに提供するアプリから、出退勤の時刻や場所、シフト希望などの情報を吸い上げ、勤怠管理やシフト作成を自動化するシステムも別売りする。代理店を募り5年後に500社の導入を目指す。来春公開する無料のウェブサービス「ビルメンDXプラットフォーム」は、ビルメン会社と外注先の間で必要な作業日の調整や報告書など各種書類のやりとりを効率化する。これまで郵送や電話、メールなどで個別に行っていた作業を集約し一括管理できる。ビルメン会社が取引先を招待して使う。同サービスを起点に、人材や協力会社のマッチング、警備・清掃ロボットなどを用いた省人化コンサルティングも構想する。藤川社長は2022年10月の同社設立前に大手マンション管理会社グループでシステム開発を担当。同業界の知見を生かす。
担当記者:大島