佐伯区に酒蔵を構え「八幡川」などの清酒を生産。8月で創業200周年を迎えた。近年は海外向けブランド「六儀」や、日本酒をあまり飲まない層への甘酸っぱい酒「たちまち小町」の拡販に注力する。「1824年に佐伯区八幡で二つの酒蔵が創業。1924年、経営難となった両蔵に地域の方々が出資して八幡酒造を設立し、55年に現社名へ変更しました。廿日市税務署管内で最も古い法人であり、地元に支えられてきた歴史の重みを感じます」72年生まれ、佐伯区出身。中学で陸上を始め、五日市高校を経て中京大学体育学部へ。大学でトレーナーに転身し、2学年下の室伏広治さんの遠征にも帯同した。父が同社の営業職だった縁で99年に入社。2008年から製造部長に就き、10年から現職を兼任する。近年は酒米を県産に限定するなど地元の原料を積極的に使い、地域産業振興と酒文化の承継を図る。「若者の酒離れが進む中、19年に香辛料輸入の小林桂(兵庫)の傘下に入ったこともあり、唐辛子やシナモンを入れる日本酒カクテルをイベント出店するなど自由な飲み方も薦めています。次の100年に向けて日本酒に〝格好良い〟スパイスを加え、若者に訴求したい」
担当記者:額田