自動車設計・解析などのマツダE&T(南区仁保)は9月、自社工場設備の数値監視やAI予知保全を行うアプリを開発した。マツダが「人とITの共創による価値創造」を掲げる中、社内全体でDX意識を醸成するために1380人の全社員が未経験からAIとDX分野について約1年間学び、選抜のプロジェクトチームを結成。リスキリングと併せて社内人材が自ら改善に取り組み続ける環境を構築する。成功事例や知見を共有し、グループ全体の工場DX推進に役立てる。

工場内の設備には電流や電圧、水圧などを計測するアナログ式メーターが多く散在し、点検で行き来する手間がかかっていた。これらをカメラで画像解析し、リアルタイムにデータを取得。オフィスで随時、数値を集中管理する。スマホでも確認できる。日々の点検作業の省力化や設備メンテナンスの精度向上などを図るほか、AIの機械学習で不具合を予知する機能も盛り込んでおり、ビッグデータの蓄積を進めている。東証グロース上場でDX伴走支援のアイデミー(東京)のオンラインラーニングを昨年4月から全社員が受け、今年1月にプロジェクト伴走型支援がスタート。成果第1号となった同アプリのほか、図面やバックオフィス業務などのDXを目指して六つのプロジェクトを進めている。若手から60歳近くまで、現場に詳しい各10人前後を選抜した。社内展示などを通じて全体に進ちょく報告し、〝みんなでやる〟機運づくりに工夫を凝らす。同社は1979年設立で、2024年3月期売上高は前年比微増の147億3100万円。広島の中小企業がDXのリーダーシップを発揮できるよう、グループ外にも成功のポイントを伝えていく。11月12日正午から50分間、無料のオンラインセミナーを開催。同社モデルベース開発本部の柴田佳輔上席エンジニアが、これらの具体的な過程やデジタル技術の導入による業務改革について話す。アイデミーの木村真規子部長も交えてディスカッションし、先端技術が社会実装されるまでの壁を取り除きたいとする。要申し込み:https://business.aidemy.net/seminar/dx_real_mazdaeandt/

担当記者:吉田

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