11月1日で創業70周年を迎える。船体ブロック加工の造船事業や段ボール製函機向け部品など機械事業に加え、2023年から島内の耕作放棄地で農業事業を開始。地域の小学生向けに農業体験授業を提供するなど食育にも取り組む。1954年生まれ、尾道市因島出身。創業家の長男として76年に入社後、機械部長、造船部長を経て89年6月に現職。2012年から因島商議所副会頭も務める。「入社当時は気の強い社員も多く、後継ぎの若造として目の敵にされた経験から、人を大切にする経営を決意。徐々に協力的な社員が増え、皆のおかげで今日を迎えられました」1998年から外国人採用を促進。現在はグループ130人中約40人を占め、30代以下の若者も多い。信条や文化に配慮し、国別の社員寮も完備。昨年9月にはベトナム人従業員3人が造船・舶用工業部門で全国初の特定技能2号を取得し、無期限の在留資格を得た。「因島は人口減少が続き、日本人だけでの事業継続は困難。国籍を問わず〝家族〟と考え、将来は生え抜きの外国人を管理職や経営層に登用することも検討しています。若者が増えれば消費も増える。農業も含めて地域の活性化につなげたい」
担当記者:額田