広島県は2024年度から新たに地方経済をけん引する中堅企業を育成する「ネクストリーダー創出支援事業」を始める。売上高数十億円規模の企業3〜5社を対象に、地場経営コンサルティング会社の協力で経営者や管理職へのヒアリング、課題抽出、現場視察などを行い、成長に向けた中期経営計画の策定をサポートする。運営はひろしま産業振興機構(産振構)が担当する。

産振構は12年から「チーム型支援」を行い、これまで成長意欲のある中小企業計約120社の高付加価値化、利益向上、販路開拓などを支援。同事業は売上高5〜10億円の企業が主な支援先だったが、新事業のネクストリーダー創出支援は売上高30〜50億円規模の企業を対象に、売上高100億円を超えるような中堅企業への成長をサポートする。地方中核都市では札幌市の「札幌未来牽引企業創出事業」、仙台市の「2024年度仙台市地域中核企業輩出集中支援事業」など、地元企業の育成事業の事例がある。産振構が保有する企業データなどから候補企業をピックアップして個別に打診し、製造業など現在3社が候補に。売り上げ増に向け来年度以降の継続支援も検討している。経済産業省は23年11月、中小企業者を除く従業員数2000人以下の企業を「中堅企業者」と定義した。このうち積極的な賃上げやリスクを伴う投資などを行う成長意欲の高い「特定中堅企業者」は、設備投資やM&A促進のための税制措置等が受けられるようになり、地域経済のけん引役として期待されている。また、県商工労働局イノベーション推進チームは第三者承継(M&A)など事業承継に対する行動変容を促すため、10月29日午後3時から「事業承継 成功の秘訣セミナー」をYMCA国際文化センター(中区八丁堀)で開く。広島県事業承継・引継ぎ支援センターの共催。オンラインでも参加可能で、無料。クレジオ・パートナーズの眞﨑託弥取締役、バトンズの鈴木安夫取締役CSOを招き、事業承継の事例やポイントの紹介、トークセッションなどを行う。(電)082-513-3355。

担当記者:大谷

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