カープの独り言 2025.10.21

林の現在地

迫 勝則のカープの独り言 / No.935

 「三振も凡打も同じこと。三振を恐れずにバットを振れ」。この助言は至極当たり前のことなのに、実行が大変難しい。もちろん4打席全てをバットに当ててアウトになるよりも、3打席三振でも残り1打席で本塁打を放つ方が良い。

 もう4年前の話になるが、当時高卒3年目だった林晃汰が1軍で102試合に出場し、357打数95安打10本塁打40打点の好成績を収めた。若い同学年の遊撃手・小園海斗との三遊間コンビで、とてつもなく大きなカープの未来を感じさせた。

 ところが着実に歩を進めた小園に対し、林は伸び悩んだ。私の観察では、主力打者になるために自ら三振数を減らそうと試みたのではないかと思う。あの豪快なスイングが影を潜め、一時打撃に迫力が感じられなくなった。その結果、1軍と2軍の往復が続き、その後の3年間で本塁打はわずか1本にとどまった。

 今季は4月上旬に1軍に呼ばれたものの、12打席で5三振。1カ月も持たずに、再び2軍へ。このままではいけない。考え方を変えたのが「逆方向へ強い打球を飛ばす」ということだった。そして2軍で7本塁打を放ち、2回目の1軍昇格を果たす。

 7月20日のヤクルト戦。スタメンで2打席連続三振を喫した後、林はバックスクリーン左へソロ本塁打を放った。そして翌21日にも左翼席へ3ラン。これでプロ初の2試合連続本塁打になった。ところが8月初旬、再び2軍へ。終盤の消化試合で戻ってきたが、彼は内野と外野の二つのグラブを持ち、新たな挑戦を始めていた。私は今でも〝未来の大砲〟の出番を待っている。

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PROFILE
迫 勝則(さこ かつのり)

迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「カープ不朽のエース物語」。

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