地域経済 2025.10.14

SGエンジニアリング 軍艦島で補修試験施工に参加 構造物延命と原型残す特許工法

 コンクリート構造物を補強するIPH工法(内圧充填接合補強)を全国展開するSGエンジニアリング(西区草津東、加川順一社長)は、長崎市の端島(軍艦島)70号棟(端島小中学校)構造部の補修試験施工にIPH工法をエントリーし、9月2〜8日に施工した。2016年から70号棟に面するグラウンドで供試体の経過観察も継続。塩害などの劣悪な環境下で劣化が進む島内の鉄筋コンクリート構造物の延命に役立つ工法として期待されている。
 試験施工には全国から約10社・団体が参加。同社は70号棟1階の梁と柱を手掛けた。梁はひび割れや浮き、欠損部と注入部材との一体化を図り、柱は現状の外観(視認性)を維持する補修を施した。向こう10年の経過観察を予定。グラウンドを使った補修工法共通暴露試験は約20社・団体が参加。同社の工法は劣化進行の抑制が確認され、今後の方針については検討中。軍艦島は2015年には島の2割が世界文化遺産に登録。廃墟となった炭鉱の島として観光ツアーの人気を集める。劣化を放置したままでは外観の変貌が避けられず、後世につなぐ歴史遺産としても補修の機運が高まっている。
 IPH工法は、(社)IPH工法協会(会員162社、理事長同)を通じて全国を網羅できる施工態勢を敷く。高流動性の樹脂を躯体内部空気と置換しながら低圧注入して微細なひび割れまで行き渡らせ、コンクリート構造物の耐力を回復し、長寿命化する。特許工法で橋梁、トンネルダム、上下水道など会員企業の施工実績は900件を上回る。インフラを支える工法として採用が増えており、6月にはNEXCO中日本の新技術・新工法に採用された。
 一方で、平和記念公園内レストハウスや被爆瓦を保存するヒロシマの碑、猿猴橋といった被爆建造物を手掛けるなど〝歴史の伝承〟に原型を保つ補修実績も重ねる。土木遺産や、世界的な建築集団スタジオ・ムンバイが手掛けた尾道市の複合施設LOG(築60年の旧共同住宅)への改修にも活用された。同協会は、6月に東京科学大学名誉教授二羽淳一郎氏を技術顧問に迎えた。今後、IPH工法の一層の適用拡大を目指している。

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