県立叡啓大学(中区幟町、有信睦弘学長)は10月1日、大都市など県外の専門人材を地域企業の課題解決に参画させる「ひろしまバリューシフトプログラム」を始動し、8日に開講式を開いた。特に首都圏の専門人材をターゲットに、リスキリングと企業での実践の場を設ける。産学が協働して人手不足の解消につなげるほか、大企業出身者などの知見を地域企業に還流させたいとする。
リクルートワークス研究所によると、地方ではデジタル化や新規事業に取り組む人材が不足する一方、首都圏ではホワイトカラー層が過剰となる試算で、人材需給の偏りが見込まれるという。同プログラムでは同大学が企業の経営課題を事前に整理し、都市部の人材をマッチング。企業は面談後に研究員として業務委託契約し、半年間で目標設定から成果検証までを行う。また週に1日は同大学の授業を受けさせることで、リスキリングにも取り組んでもらう。
参加費は1社当たり月45万円で、うち15万円を大学の運営費、30万円を研究員への報酬に充てる。同大学の早田吉伸教授は「課題があるところにビジネスが生まれる。つまり地方や中小企業の課題は価値であり、解決を通じて新たな価値や事業の軸を生み出せる。都会の専門人材にとって地方で働くことはステップダウンという印象もありハードルが高いが、公立大学が関与することで成長機会を付加し、キャリアアップとなるモデルに育てたい」と話す。
参画企業と経営テーマは以下の通り。森信建設(中区)=DX環境、基幹システムの構築。広島トヨペット(西区)=戦略的広報活動によるイメージ向上とブランド価値強化。広川グループで旅行代理店のトラベルボックス(同)=共創型旅行モデルの開発。東洋電装(安佐南区)=介護DXソリューション事業のスキーム構築。常石商事(福山市)=新規事業開発。