万博でアピール
廿日市市は国内外からの観光誘客につなげようと8月8日、大阪・関西万博フランスパビリオンで観光プロモーションイベントを展開する。
市内事業者らと「廿日市市観光プロモーションチーム」を結成。観光地の魅力やコンテンツをPRする。松本市長に続き、各事業者がプレゼンテーション。商談会も行う。出展事業者はイワタ木工、佐伯国際アーチェリーランド、サクラオブルワリーアンドディスティラリー、庭園の宿石亭、大聖院、麻世勝エビス・人力車えびす屋宮島、宮島旅館組合、宮浜温泉地域管理組合。市観光課は、
「宮島の嚴島神社と共に〝海に浮かぶ世界遺産〟として、2009年に仏モン・サン=ミッシェル市と観光友好都市提携。周年ごとの記念事業や相互の観光宣伝、共通テーマのイベントなどを重ね、文化や経済交流を図ってきた。万博のフランス会場を通じて、さらに認知度を高め、交流を深めながら観光振興につなげたい」
定番のカキ、もみじ饅頭だけではないディープな廿日市の魅力を発信する絶好の機会を捉えた。
万博に知財出展
広島市で創業した地域情報アプリ運営の「ためま」(神戸市)は10月2〜10日の9日間、大阪・関西万博に出展する。
特許庁の「明日を変える知財のチカラ〜想いを届ける、世界をよくする〜」プログラムで、「知財のチカラを実感しよう」コーナー14企業に選ばれた。期間中は社員などが現地に常駐し、全国で取り組み中のためまっぷの事例や、目指す「誰もがここで生きててよかったと思える社会」への試みを紹介する。清水義弘社長は、
「地域に〝つながり〟と〝つくり手〟を増やすことにより、小さな助け合いが日常にあふれ、そして誰もが社会的孤立を感じない未来を実現したい。当社ではこれをDXになぞらえ、『NX(ネイバーフッド トランスフォーメーション)』と定義しています」
平和のロードマップ
被爆80周年。8月6日の平和記念式典には過去最多の124カ国・地域が参列予定という。広島の若者たちが平和な世界の実現に向けたロードマップの発信を目指し、新たな取り組みを始めた。
へいわ創造機構ひろしま(HOPe)と国連ユニタール広島事務所は同日、青少年大使プログラムに参加する高校生ら30人のグループワークを開く。湯崎英彦県知事や国連の中満泉事務次長、赤十字国際委員会アジア大洋州地域局のレジス・サビオ局長らと意見を交わし、ロードマップを発表予定。HOPeの山本浩課長は、
「発表は英語に同時通訳し、SNSでライブ配信。大阪・関西万博の広島県ブースでも放映し、未来を担う若者が主体的に考えた提言を各国の来訪者に伝えていく」
昨年度にソフトバンクグループから県に寄付された8億5000万円の一部を運営費に充てた。本年度はマツダもHOPeの活動に1億円を拠出。5月にあった寄贈式で毛籠勝弘社長は、
「平和な社会だからこそ心から運転を楽しめる。被爆80周年に、メッセージをより強く発したいと考えた」
日本酒もテロワール
ワイン用ブドウ畑周辺の土壌や気候といった地域らしさを示す「テロワール」の概念を日本酒に取り入れ、地域ブランドを生み出そうという新たな動きが出てきた。
道の駅など白竜湖親水公園の指定管理者、よがんす白竜(三原市大和町)は7月、2023年に立ち上げた日本酒ブランド「YOGANSUの酒」の第三弾となるVintage2024の「OKITA9241」と「KAWABASAMI8259」を発売した。
イタリアと日本の米を掛け合わせた日本独自のリゾット専用米「和みリゾット」を使用する。近隣の河川を挟むように位置する二つの水田で自家栽培し同市唯一の酒蔵、酔心山根本店に委託製造。農地ごとに米を分けて醸造し、それぞれの番地や米の収穫年を冠した。日本酒らしい米由来の甘みに、どこかワインを思わせる酸味を醸す。和食のほか、イタリアンやフレンチといった洋食とも相性が良いという。広島市内のホテルや虎ノ門ヒルズのセレクトショップなどでも取り扱う。高東浩昭社長は、
「日本酒もワインのように地質や水質、地形など原料を育てる環境で風味が変わる。ブルゴーニュのロマネ・コンティのように、その土地で造られるからこそ価値が高まるような取り組みを続け、日本の中山間地域の再活性化につなげたい。歴史ある県内の酒蔵も田んぼの違いを楽しむ文化の醸成に参画してもらえれば」
共感が広がり、日本酒のテロワールを定着させたいと意気込む。
広島でTGC祭典
国内最大級のファッションの祭典「東京ガールズコレクション(TGC)」が12月6日、8年ぶりに広島で開かれる。ヒロマツHDが冠協賛し、ひろぎんHDが特別協力。
前回の来場者数は1万人を超え、大きな反響があったという。運営を担うW TOKYOは2015年にエンターテインメントを通じて地域の魅力を伝えるプロジェクトをスタート。被爆80周年の広島から平和と笑顔をキーワードに、ファッションショーや音楽、映像などを多彩に催す。ランウェイ出演のオーディションも行い、才能を発掘。ヒロマツHDの松田哲也会長は、
「原爆ドーム近くで創業した当社は、被曝で壊滅的な被害を受けた。その後、広島の皆さんに育てていただいたからこそ今日がある。恩返ししたい」
絵本を100万部
イラスト、デザイン制作のIC4DESIGN(中区小町)は7月、絵本「迷路探偵ピエール」シリーズの第4巻を発売した。日本と英国の出版社と契約を結び、30カ国以上で同シリーズを販売展開しており、1巻の発売から10年で累計販売数は100万部を突破。
神垣博文社長は、
「今回は、前作の発売から4年も歳月がかかった。英国の出版社の編集担当者が変わり、方向性のすり合わせに時間を取られた。無事に世に出せて、今はほっとしている」
海外展開と言っても、単に日本語版を翻訳すれば済むわけではない。タバコや酒、銃といった描写、さらに人種や文化に関わるイラストにまで、海外では厳しいチェックが入る。IC4が得意とする緻密でさまざまな世界を書き込むイラストは、特に細部まで見直しが行われる。修正の作業に相応の手間はかかるが、海外で評価を得るために欠かせない過程と言う。
国内では、絵本の年間刊行数が2000冊に上り、書店の棚で長く並び続けられるのは、ほんの一握りの人気作に限られる。
「絵本のことを何も知らなかったイラストレーターが100万部も発行できたのは奇跡というほかない。1作目は、出せば売れるだろうと甘く考えていた。1冊を世に出すことの難しさ、シリーズとして愛され続けることの尊さを痛感している」
英国の出版社と6巻までの契約を結ぶ。さっそく第5巻の構成も動き始めている。
つむぐナース
32歳の女性看護師2人が昨年10月に設立したエターナル(佐伯区)は、保険外の看護サービス「つむぐナース」を始めた。急性期・慢性期患者の外出などに付き添う。
外出や入院中の一時帰宅などをサポート。医療機器を備えた車両を持ち、たん吸引、酸素吸入なども行う。2人は看護学校の同級生で、急性期病棟や緩和ケアなどの現場で経験を積んだ。しかし保険内でできることには限りがあり、「人生の最後を自宅で過ごしたい」「思い出の場所を、もう一度訪ねてみたい」といった願いをかなえられないことに歯がゆさを感じていたという。松田理沙社長は、
「こうしたサービスはあまり知られていないため、認知度向上が課題。所属するオレンジ介護タクシーグループの数社と連携し、複数人を集めたカープ観戦、宮島での紅葉狩りなどのイベントを検討している。病気を抱えていても、やりたいことを諦めなくて良い世の中にしたい」