輝夫さんお別れの会
県内最大手の給油所チェーンを運営する礎を築いた。大野石油店の2代目、大野輝夫相談役の〝お別れの会〟が7月2日、リーガロイヤルホテル広島で執り行われた。
1951年に同社へ入社し、76年に社長に就任。広島ロータリークラブや広島市防火連絡協議会の会長を務めたほか、広島青年会議所(JC)は徹会長、貴嗣社長と3代にわたり理事長を受けることになった。
お別れの会は午前11時から多くの政財界人らが献花に訪れ、故人をしのんだ。貴嗣社長は、
「私は今年3月1日に4代目に就いた。それを待っていてくれたかのように3月25日に95歳で他界。後は任せたと、その思いを胸に刻んで旅立ったように感じました。強さと優しさを兼ね備えた祖父輝夫。当日はたくさんの方が別れを惜しみ、訪れていただいた。かけがえのないご縁は私たちの宝であり、大切にしていきたい」
会場には会社や取引先、JC、ロータリーなどの多くの仲間たちに囲まれた写真が飾られ、愛用の眼鏡やカープデザインの杖、社長時代に使っていた〝笑顔〟と〝プンプン〟した似顔絵の決裁印など、社内外問わず慕われた人柄を伝える。
モータリゼーションの時代から一転、難しいかじ取りが求められる時代に移った。遺志を継ぐ貴嗣社長は社訓「俺がやらねば誰がやる」を胸に刻み、社是「ありがとうとお客様から聞ける店」づくりに精力を傾ける。
ふるさとへの責任
エディオンは8月10日、「ふるさと納生プロジェクト」の第1弾として住民参加型交流イベントを開く。南区松原町のエディオン蔦屋家電広島で「未来の家電」イラストの展示や回遊イベント、サッカー日本代表監督の森保一氏を招いたトークイベントなどを予定。
同社マーケティング統括部の長谷川剛統括部長は、
「CSR(企業の社会的責任)からもう一歩踏み込み、われわれが考えた造語『CFR』(企業のふるさとへの責任)を果たしたいと企画。コロナ禍で分断されたイベントを通じ地域と人のつながりをもう一度生み出すことで、市民と共に地域の未来を育みたい」
終戦翌年の1946年にエディオン前身の久保兄弟電機商会を設立。創業の地の一つ、広島と共に戦後の復興を歩み、現在は全国に約1200店舗を展開するまでに成長。今春に新広島駅ビル「ミナモア」が開業し、周辺部は一段と活況を呈してきた。ふるさとへの責任をコンセプトにしたイベントに寄せる思いは強い。
広島で全国大会
中小企業家同友会全国協議会(東京)主催の「環境経営・地球環境交流会」が6月26〜27日、10年ぶりに広島で開かれた。
全国から総勢154人がオリエンタルホテル広島に集まり、「山から海へ、人から地域へ〜持続可能な地球と地域社会を実現しよう〜」をテーマに学びと親交を深めた。初日はエフピコ(福山市)の冨樫英治執行役員が資源循環型リサイクルについて記念講演。分科会でユダ木工(廿日市市)の湯田卓社長、クニヒロ(尾道市)の新谷真寿美社長ら4人が事例を話した。2日目は、希望者75人がユダ木工、晃祐堂(熊野町)、イベントス(中区)に分かれて企業訪問。持続可能な地域社会実現へ、実際に現場を見ながら知見を広げた。安佐南区吉山地域で飲食店などを運営するイベントスの川中英章社長は、
「地域の持続可能性を高めるためには、経済や人と人のつながりが必要不可欠。飲食店は住民の憩いの場だけでなく、やりがいを持って働ける場所としての役割も担う。時には近所の学校の運動会に参加するなど地域に溶け込み、共に価値を高めていきたい」
ジャム工場を再エネ
老舗ジャムメーカーのアヲハタ(竹原市)は、2028年までにCO2排出量を13年度比46%削減という目標達成へ向け、11月から忠海中町にあるジャム工場で使う全ての電力を実質再生可能エネルギーへ切り替える。
オンサイトPPA(電力購入契約)による太陽光発電と非化石証書を利用した一般電力を使う。実質的に再生可能エネルギー100%とし、CO2排出量は年間約1700㌧の削減を見込む。省エネルギー・効率化に向けた継続的な投資や活動を推進。昨年11月にジャム工場の一部に太陽光発電設備を設けた。発電容量は1日当たり76㌔㍗で、一般家庭約20軒分の電力使用量(1日)に相当。発電された電力は全て工場内で使う。CO2排出量は年間約50㌧の削減が期待される。さらに屋根に設置したパネルが直射日光を遮るため室内温度の上昇を抑え、空調エネルギーの削減にも貢献しているという。同社は、
「既に24年時点で13年度比29・3%のCO2排出量削減を達成している。残り約16・7ポイント削減に向け、環境負荷低減のための取り組みを推進。持続可能な社会実現へ貢献していきたい」
と着々手を打つ。
呉を海洋拠点に
呉市と広島大学が手を組み、市役所9階に設けた地方創生拠点「タウンアンドガウンオフィス」の開設記念式典が6月30日にあった。市(タウン)の行政資源や大学(ガウン)の知見などを動員し、新たな活力を創り出していく狙いだ。
かつて軍港都市として栄えた歴史や蓄積された技術、豊かな自然環境をフル活用したいと意気込む。広大との共同研究だけでなく、外部へ海洋・海事の最新動向を学べる情報を同拠点から発信。産学官の交流を促し、イノベーション創出を目指す。新原芳明市長は、
「大学と連携して人材を育てることは、産業の育成にもつながる。アジアが誇る海洋文化都市として存在感を高めていく」
広大では今後、海洋の安全や資源を管理するための研究施設を設けるという。越智光夫学長は、
「オフィス開設は地方創生の第一歩。世界中の研究者や優秀な学生が、呉に集まるきっかけとなれば」
世界をつなぐ海洋拠点の挑戦が始まる。
外国人の避難手引
国が3月公表した南海トラフ地震の被害想定で、死者数は最大30万人近くに上るという。災害発生時、海外から訪れた旅行者の安全確保にどう対応すればよいのか。中国運輸局は6月13日、観光事業者向けに外国人旅行者の避難誘導や初動対応マニュアルを刷新した。
地震の少ない国の人は混乱状態に陥り、エレベーターで避難しようとして閉じ込められる、災害速報の内容が分からないために不安が加速するといった事例を紹介。こうした状況を踏まえ、避難誘導の手順やピクトグラム(案内用図記号)、多言語掲示物など、そのまま使えるツールを充実させた。ウェブで無料公開。観光企画課の稲村和也課長は、
「インバウンドが過去最多を更新する中、観光施設は外国人への配慮が一層重要になってきた。安心して旅行できる環境を整えることで、観光産業の発展につなげたい」
事業化に挑む18歳
この春、叡啓大学に入学した古川元晴さん(18)が、学生の自己理解を促す教材開発事業に挑戦している。近々、推進母体の「(社)わたがし」を設立する運びだ。
大阪の追手門学院高校に在学中、修学旅行に当たる探究旅行で行ったプロジェクトを発展させ、同級生の女子2人と共に教材「語れるすごろく」を開発。「一番感動した出来事は?」「もし超能力が使えるなら?」といった質問が書かれたカードを引きながらすごろくを進め、3〜5人で語り合いながら自己理解を促す。昨夏にクラウドファンディングを実施し、105万円を調達。その資金で商品化とウェブサイトの開設を行った。3400円の教材はネット通販で毎月2〜3個が売れているという。3人のメンバーはそれぞれ異なる大学に進んだが、毎週オンライン会議を続け事業発展へ検討を重ねる。古川さんは、
「今は教育分野に興味がある。大学での学びを実践につなげたい」
今夏、学生と企業が対話を通じて交流するイベントも検討中。