カープの独り言 2025.05.29

変則モーション

迫 勝則のカープの独り言 / No.915

投手というのは、たとえどんなに美しい投球フォームであったとしても、どこかに変則的な動きが必要なのではないか。
生来の自然な美しいフォームなら〝理にかなった〟強い球を投げることができる。しかし、その一方で打者との一連の動きがスムーズに合いやすくなる。つまり打者が気持ち良くスイングできるのだ。そこで考えられるのが、打者に気持ちよくスイングさせないような特異な投球モーションである。
この観点から2025年シーズンのカープ投手たちを見てみよう。昨季から腕を下げて横手投げにした塹江敦哉の投球モーションが面白い。彼は元々150㌔を超える速球と左打者へのスライダーを得意にしていた正統派の左投手だった。横手投げに変えた昨季は53試合に登板して防御率1.58の好成績を残し、今季も貴重な存在になっている。
またそれほど変則とは思えないが、先発ローテーションの一角を担う玉村昇悟の投球は「球の出どころが見えにくい」と言われる。打者からすると、投球モーションのイメージとリリースの瞬間が微妙に合わないのである。
さらに24年の現役ドラフトで日本ハムからやってきた鈴木健矢の変則サブマリン投法も目に楽しい。地面スレスレで放たれる球が、低い軌道のままミットに収まると、右打者はなかなか打てない。また23年ドラフト3位で今は2軍で投げている滝田一希も、変則モーションから打者を圧倒するような強い球を投げる若手の有望株で、往年の池谷公二郎をほうふつとさせる。

この記事はいかがでしたか?
県内約2,500社の企業・決算・役員情報などを検索!
PROFILE
迫 勝則(さこ かつのり)

迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」

関連記事

料金プランへの誘導バナー・デザイン差し替え

おすすめ記事

広告
広告

最新ランキング(2026.3.24更新)

企業データベース