この数年QRコードをよく使うようになったと思いませんか。QRコード決済やQRコードによるセルフオーダーの店も増えてきました。スマホのカメラをかざすだけで、簡単に情報にアクセスできるQRコード。その歴史は意外と古く、1994年に自動車部品大手のデンソーによって開発されました。30年も前とは驚きですね。当初は製造現場での部品管理のために考案されたそうです。

QRコードの普及と発展

QRコードを広く普及させるため、デンソーは特許権を行使せずオープンな仕様としました。初期の段階からコードを決済に活用するアイデアが出され、研究を始めたそうです。しかし日本ではなかなか普及が進まず、中国で先に爆発的に使われ始めました。中国では2010年代にアリペイやウィーチャットペイなどのQRコード決済サービスが急速に広がりました。その背景にはスマホの普及、店舗側の導入コストの低さ、偽札対策や政府のキャッシュレス推進などがあったといわれています。一方、日本でも10年代後半からペイペイやラインペイなど多くの事業者がQRコード決済サービスを始め、普及しました。23年には93億回もの決済が記録されています。そして今では決済だけでなく、サイトへの誘導にも活用されるようになりました。スマホから簡単にサイトに遷移できるので、多くの場面で利用が進んでいます。今回はQRコードを活用した販促手法で、売上アップと顧客エンゲージメント強化を実現する方法をご紹介します。

①QRコードでサイト誘導QRコードでウェブサイトへ誘導する方法は手軽に始められます。例えば名刺に載せて自社サイトへ誘導したり、商品パッケージや広告に掲載して商品詳細ページやキャンペーンサイトへ誘導したりできます。②もう一歩進んだQRコード活用店頭に設置したQRコードをスキャンしてもらうことで、商品の詳細説明動画やプロモーションビデオなどを発信できます。デジタル・クーポンの配布にも使えるでしょう。③ゲーム感覚で楽しめる抽選会さらに参加性を高めるためにQRコードを使った店頭販促キャンペーンもお薦めです。コードをスキャンすると、キャンペーンサイトへ飛んで購入特典やプレゼントの抽選に参加できる仕組みです。デジタル抽選システムが必要ですが、無料のツールもあります。抽選ページでメールアドレスや店頭でしか手に入らないプロモーションコードの入力を必須にすることで、顧客情報の獲得や店頭誘引にもつながります。QRコード抽選会はゲーム感覚で楽しめるため、消費者の興味を引きつけ、参加意欲を高める効果が期待できます。④QRコードの未来と活用の幅広さスマホの普及とともに、QRコードは今後もますます利用が拡大すると考えられます。現在の消費者はコードの利用に慣れており、手軽さと便利さを享受しています。このタイミングを逃さず、コードを活用したキャンペーンを導入することで、顧客とのつながりを強化し、販売拡大に利用しましょう。QRコードは、マーケティングにとって最も重要なスマホを入り口にした強力なツールとなるでしょう。今回、紹介した施策以外にも活用方法がいくつかあります。自社の課題に合わせて工夫することで、さらに多くの〝QRコードの可能性〟を引き出しましょう。

プロフィル

宮田 庄悟 (みやた しょうご)1956年1月3日生まれ、和歌山県出身。早稲田大学を卒業し、79年4月に電通入社。東京、ニューヨーク、北京、ロンドンでマーケティング、イベント、スポーツ業務に従事。「ラグビーワールドカップ2019組織委員会」の広報・マーケティングなどを担当。20年4月から現職。

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