ソフトウエア導入支援のエクレクト(南区段原南、辻本真大社長)は来年をめどに、課題の発見・解決力を養成する企業向け研修事業を大崎上島町で始める計画だ。5月に同事業を担う子会社を設立しており、宿泊所の整備などを進める。DX人材の育成に意欲的な首都圏の大企業を中心に売り込み、新たな柱に育てる。
100%出資の新会社は、アイスティシ(大崎上島町東野3638、元中慎一社長、資本金900万円)。昨夏、同所に設けた自社社員向けの研修拠点を使うほか、近隣に取得済みの複数の古民家を順次改装する。研修は3週間程度を想定。島民と交流しながら観光振興策などを考えるフィールドワークを通して、柔軟な発想、思考力やコミュニケーション能力を身に付けてもらう。多様な本を読んで文章化・討論する座学、座禅、サイクリングなども検討。必要に応じて通常業務の時間を取る。豊かな自然の中で規則正しく過ごし、心身も健康になるという。効果の検証へ、今春から叡啓大学、9月から広島商船高専と共同研究を実施。社員を対象に研修前後の体調、仕事の取り組み方の変化を調べる。健康状態や座学の発表内容を記録するアプリの開発も進めている。同町とは昨年、地方創生などに関する包括連携協定を結んだ。新会社の元中社長は「事業を成功させ、離島や地方の可能性を示す。同町内のオフィス物件の手配などを支援し、国内外の企業の拠点設置や出店も後押ししたい」と話す。
多拠点化進める
人材の確保や地域に根差した提案活動につなげようと、拠点設置を加速。5月に国内6カ所目となる名古屋オフィスを開いた。このほか、今春にブリスベン(オーストラリア)に準備室を置き、市場調査を進めている。海外拠点は初。
担当記者:大島