広島県は、県内企業で働く若手社員16人を「ひろしま就活サポーター」に任命し、7月19日に湯﨑英彦知事との座談会を開いた。若者の転出超過が課題となる中、広島での就職意識の醸成につなげたいと企画。取り組みは2年目で、座談会の様子を学生たちに向けてユーチューブでライブ配信した。参画は中国新聞社(中区)、マツダ(府中町)、ダイキョーニシカワ(東広島市)、八天堂(三原市)など15社。座談会には、地元進学・就職した人やUIターン者など、9社9人(入社5年目まで)が出席。広島で働く魅力をはじめ、就活への不安や悩みなどの経験談、アドバイスを話してもらった。約40人が視聴した。仮想現実(VR)技術開発などを手掛けるビーライズ(南区)の松岡陽菜さんは、県内大学に進み東京での就職と悩んだという。「当時、東京でエンタメに関連する業界を探していたが、広島の業界・企業を深く調べると面白い会社があることを知った。地元でメタバースやVRなど最先端の分野で働くことができ、充実している」中国新聞社の藤本壮汰さんは、東京の大学からUターン。「4年過ごした東京でそのまま働くイメージが湧かなかった。ホームタウンで働きたいと思い、地元の企業に就職した」湯﨑知事は就活サポーターに期待を込め、「就職は人生の大きな転機。仕事や住む場所に選んでもらえるように、先輩社会人としての本音や広島の魅力など、若者の視点で学生たちに伝えてもらいたい」今後は秋冬開催の大学生とサポーターの交流会「おとな会議」などで、自身の経験談を語ってもらうほか、県内・県外大学向けに実施する業界研究講座などに登壇してもらう。
担当記者:沖野