玩具店「ホビーゾーン」を全国展開する冒険王(安佐北区可部4-1-10、堀岡宏至社長)の2024年5月期は、売上高が前期比5・4%増の71億6916万円と過去最高を更新。経常利益は同8・6%増の3億6607万円で増収増益を達成した。店舗の大型化や売れ筋商品を絞り込む〝三本の矢〟戦略などが奏功し、期末66店の過半数が年商1億円を超え、粗利益率を改善。今期は営業エリアごとの事業部制で組織を活性化し、さらに三本の矢戦略を深化させ売上高82億円を見込む。

地域1番店の大型商業施設内を中心に展開し、期中は新規出店で東北地方初の名取(宮城)・大高(愛知)・太田(群馬)の3、増床を中心にしたリニューアルは熊本・幕張新都心(千葉)・広島府中・宮崎の4店舗。退店3で1都2府29県に計66店体制。年商1億円超は前期から7増え36、うち1億5000万円超が3増え9店となった。総売り場面積は4・9%増の1万4662平方㍍に拡大。集客力を見込んでイオンモールなどから出店要請が続く。スクラップ&ビルドを重ね、高付加価値商品を扱う収益性の高い店の標準化を図るとともに、粗利益率見直しのたびに取扱商品を取捨選択してきた。期中は、主力商品としてパズル・ゲーム、ミニチュア(食玩具、ミニカーなど)、プラモデルを三本の矢に位置付け、特に利益率の高いパズル部門販売へ注力したほか、こまめなリピート発注、社内オンライン勉強会を通じた全社的な意識付けなどが成果を生み、粗利を改善した。ポイントアプリ会員は前期比25・6%増の約11万8000人、累計で78万6500人。顧客獲得・リピーター化につなげている。QRコード決済のペイペイなど電子マネーは年間10億円を超え、キャッシュレス決済の普及が増収に直結した。国内玩具市場は少子化の一方で大人を主力ターゲットに成長し、23年度は初の1兆円を突破。同社は主力ターゲットを25歳以上の独身男性に据え、拡大路線に乗せる。今33期は東日本・中日本・中四国・九州の各4エリアで事業部制組織を編成し、粗利の良い新規商材アイテムの拡大など三本の矢戦略を深化させていく。新規出店は浦和美園店(埼玉)と新利府南館店(宮城)、増床リニューアルは佐賀と出雲の2店を計画。退店は2店予定。前期比15・5%増の売上高82億円、同46・1%増の経常利益5億円強と増収増益を目指す。

担当記者:藤井

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