専業で就農し5550平方㍍の畑で唐辛子を中心にパクチー、バジルなどを栽培する、すずきエスニックファーム(廿日市市塩屋2-7-10、鈴木隆之代表)は加工場を設け、レモンやかき醤油など地元食材を使うオリジナルスパイスを相次ぎ開発している=写真=。廿日市市のはつはな果蜂園と共同開発した「ハツカイチリソース」の販売も始めた。鈴木代表は山口県周防大島町出身で、23年間勤めた会社を退職し、2022年に廿日市市で生産者が少ない唐辛子をメインに就農した。生・加工品用のホットパラソル、プリッキーヌチンダー、ハラペーニョ、加工用の韓国唐辛子、キムチ唐辛子、ハバネロ、生出荷用の万願寺唐辛子などを年間計655㌔栽培。24年は畑を約1000平方㍍拡大し1㌧の生産を見込む。生出荷は広島市中央卸売市場、まちの駅ADOA大野、Aコープファーマーズみやうち、ピュアークックアジナモール店や産直市場、飲食店などに出荷。22年8月に唐辛子保存用の恒温高湿庫、加工用汎用乾燥機、粉砕機、育苗ハウス、消毒シンクなどを備えた加工場を設けた。最近では、大正13(1924)年創業の佐伯醤油の宮島かきのしょうゆに唐辛子を漬け込んだ「唐辛子宮島かきのしょうゆ漬」を開発。自家栽培のコリアンダー、赤・青唐辛子を使い海水塩で味付けした万能型オリジナルスパイス「はつかいちスパイス」のほか、「同シリーズレモンブレンド」、「同シリーズ一味唐辛子赤」などを相次ぎ商品化した。加工品はネット通販「食べチョク」、ふるさと納税「さとふる」、まちの駅ADOA大野、安芸グランドホテル、福屋広島駅前店、おりづるタワーなどで販売している。鈴木代表は「廿日市産ニンニクを配合した新作スパイスを開発しており、新たにトウモロコシやレタスの栽培も始め出荷予定。加工品は販路が広がっており、3倍の売り上げを目指す」と話している。
担当記者:大谷