カープの独り言 2025.09.29

高橋の投球を楽しむ

迫 勝則のカープの独り言 / No.932

 私は今季、高橋昂也の味のある大人の投球を楽しんだ。2016年ドラフト会議。高橋(花咲徳栄高)はヤクルト1位の寺島成輝(履正社高)、楽天1位の藤平尚真(横浜高)と並び〝高校ビッグ3〟と称され、カープから2位指名を受けた。以降、私は彼の姿を追った。

 その1年目。イースタン、ウエスタン両リーグの覇者で戦った巨人対カープのファーム日本選手権だった。高橋はドラフト4位でカープに同期入団した坂倉将吾とバッテリーを組んだ。坂倉はこのシーズン、2軍で打率2割9分8厘を記録し首位打者争いをしていた。カープは2対2の同点に追い付いた7回に、その坂倉の右翼席への3ランで巨人を5対2で下し、2軍の日本一に輝いた。

 翌18年。高橋はクリス・ジョンソンに次ぐ2番手の左の先発投手として期待された。6月27日の巨人戦では6回7奪三振、3安打2失点の好投で巨人のエース菅野智之(現・米オリオールズ)に投げ勝った。高橋はマウンドでの立ち姿が美しく、当時まるでアニメに出てくる主人公のように見えた。

 しかし19年に左肘のトミー・ジョン手術を受けてから、故障との戦いになり2軍生活が長く続いた。そして今季、私は復活してきた高橋の進化した姿に一種の感動を覚えた。時々勝ちゲームでも起用されたものの、主な出番はリードされた展開。それでも黙々と役割を全うする姿に心を打たれたのである。彼は高校時代の監督から言われた「マウンドでは感情を出さず、無心で自分の投球に徹すること」を今でも守り続けている。来季も彼の投球が観たい。

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PROFILE
迫 勝則(さこ かつのり)

迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「ヒロシマ人の生き方」

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