26年4月に介護分野向け商品化目指す
福山大学発ベンチャーのサリー・プロジェクト(府中市高木町、伍賀正典社長)は9月下旬から、広島市内の介護施設と児童養護施設で自社製全方位カメラを活用した見守りシステム「OmniCare(オムニケア)」の実証実験を始める。生成AIを用いて転倒、暴力行為などを検知し、スタッフにチャットやメールの文章で通知する。2026年4月の商品化を計画。同年末までに広島近県の12施設で360台を販売し、27年9月期の売上高8000万円を目指す。

オムニケアは、ワイファイ環境さえあれば電気工事が要らないスタンド型のカメラで撮影した映像から、人の動作速度や姿勢の変化をAIで解析して異常かどうかを判断する。従来のセンサーでは把握しにくい、ふらつき、もたれかかりのほか、声や表情の変化から感情も分析できるため、人に近い基準で判断できるという。異常の懸念がある動作を検出すると前後の状況を含めてテキスト化して通知。スタッフはワンクリックでレポートとして出力できる。クラウド上の映像は必要な場合に特定の管理者のみが見られる仕組みとすることで、施設利用者のプライバシーを守りながらも、問題発生時の証拠を保管できるという。将来は個室ごとの排せつ処理スケジュール管理など、日常業務の効率化にもつなげたいとする。
販売価格は1台18万円、クラウド利用料は50GB月額5000円程度を検討。発売までに月30台製造できる体制を整え、27年末までに全国20施設600台、28年末までに50施設1000台の導入を狙う。伍賀社長は「これまで人が監視カメラを巻き戻して確認し、手打ちでレポートにしていた作業を数十秒で終わらせられる。人手不足解消の一手となれば」と話す。そのほか、スポーツや建設現場での安全管理、通行人数の把握といった応用も視野に入れる。
21年設立。同大学准教授でもある伍賀社長のロボット研究を起点に22年に全方位カメラを開発し、農業監視や災害対応でも利用を模索してきた。