住宅リフォームで地場大手のマエダハウジング(中区八丁堀)は2030年の「グループ10社、社員300人、売上高100億円」達成に向けて、「地域密着コングロマリット(複合企業体)経営」で成果を挙げている。18年に工場内装やオフィスの営繕工事に強い広島ハウジングサービス(後に組織再編)を買収したことで領域を広げ、建築のノウハウを磨いた。今後は商業建築設計に乗り出す。このほか、20年に出版業のザメディアジョン(西区横川町)、23年9月に人材派遣業のエイブルスタッフ(中区鉄砲町)をM&A。21年に新設分割したザメディアジョンHRは新卒採用支援や人材紹介を手掛けており、中小企業の課題である人材不足の課題解決支援でシナジー効果を狙う。このほか、貴金属やブランド品などの買取店を全国展開するエコリング(兵庫)から既存1店舗の経営を引き継ぐ形でFC加盟会社エコミルも設立し、リフォーム時の不用品処分などの需要を取り込んでいる。従来の不動産会社と施工会社に加え、23年7月には広発工業(安佐南区)から新築事業を譲受。注文住宅のラインアップを「hittkiーGRANDー」、「emie」、「UNSTANDARD」に拡充した。これまではリノベーションか建て替えかを検討する人を主対象に新築を手掛けていたが、子育て世代などに訴求する。前田政登己社長は、「昨年1月に創業30周年を迎え、リフォームだけでなく不動産や相続、そのお子さんの新築などと人生の節目ごとに相談を頂けるようになった。地元広島で、住まいと暮らしのワンストップサービスを提供し続ける。地域で輝く100年企業になるためにも、グループ各社で補完し合いながら社会環境の変化に対応していく。サービスの質向上はもちろん、スケールメリットによって1人当たりの生産性が高まり、休日の増加や賃上げなどにつながると考えている」1月4日付でマエダハウジングホールディングス(社長同、資本金1000万円)を設立。経営判断の迅速化や事業拡大を進める。23年12月期のグループ6社の連結売上高は前期比13%増の42億6800万円と40億円を突破。これに含まれないエイブルスタッフの売上高は約1億円。マエダハウジングの単独売上高も約10年前から2倍の21億円となり、関連領域の不動産、施工を合わせた3社は売上高29億円に。同3社で早期の30億円突破を目指し、30年にはマエダハウジングの売上高50億円を描く。