ショート動画で未検討層に独自価値訴求
マツダ(毛籠勝弘社長)は国内販売台数の増加に向け今夏、SUV(多目的スポーツ車)を中心としたマーケティング施策を強化している。7月に公開した特設サイト「技術って、愛だ。」で、快適性や安全性といった独自価値を伝える1分未満のショート動画を10本以上掲載するほか、動画はユーチューブでも広く発信。特にこれまでマツダに関心の薄かった層に訴求し、2019年度以来となる販売台数20万台越えへの足掛かりとする。
昨年度の国内販売は前年比5%減の15万2000台。最大市場の米国で過去最高の43万5000台(同16%増)を売り、グローバルでは同5%増の130万3000台という実績を残したが、本年度の米国は関税政策の影響で苦戦が見込まれる。国別で2番目の規模ながら、販売台数、シェアともに2年連続で下降している日本での反転攻勢を図る。
特設サイトでは、現在国内で扱う登録乗用車9車種のうち6種を占めるSUVの特長を紹介する。例えば「ドライビングフィール」の項目では、運転手・同乗者の体の揺れを軽減して乗り心地を高める「Gベクタリングコントロールプラス」のほか、音響機器の配置や向きを最適化した「マツダハーモニックアコースティックス」といった技術を、動画などを用いて説明。国内ブランドビジネス統括本部の三浦忠本部長は6月にあった方針説明会で「SUVの購入を検討する層への伝わりやすさを徹底的に追求している」と説明した。
さらに本年度下期にはSUVにとどまらず、ブランド全体に焦点を当てたマーケティングを予定する。同社が掲げるパーパス「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」を軸に、運転の楽しさをはじめとする「マツダらしさ」への共感を促す。また、10の都市圏を重点市場に設定して新世代店舗化を進めるほか、店舗スタッフ向けに行動規範を定義。いずれも、米国での成功事例に倣った取り組みという。16〜21年に米国法人のCEOを務め、成長を主導した毛籠社長の手腕に注目が集まる。