人材紹介業のセレクト(中区八丁堀、江夏裕盛社長)は3〜5月にかけて、台湾の3都市にある国立・私立6大学で行われる就職ガイダンスへの日本の参加企業を募っている。コロナ禍を経て3年ぶりに本格的に再開。専門的な技能や知識を持つ「高度人材」が対象で、人手不足の解消だけではなく、海外展開や国際競争力の向上につなげてもらう。
日本との経済交流を促したい台湾政府教育部(日本の文部科学省に相当)を通じて各大学と連携する。「台北」、北西部の「新竹(シンチク)」、最南端の「屏東(ヘイトウ)」の3都市にある大学で、それぞれが工学や接遇(ホスピタリティー)などの専門教育を実施。在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する学生で、日本語検定N2〜N3級の取得者を主な対象とする。6月に卒業後の「就職」と、9月から始まる「就労体験・インターンシップ」のそれぞれの希望学生とマッチングする。日本企業の業種は、技術(製造)、情報通信、設備、百貨店や量販店・外食業などのサービス業などを想定。ガイダンスへの参加は無料で、就職、インターンシップの決定時に手数料がかかる。同社は1996年に設立し、国内で人材紹介、人材派遣などを展開。台湾での事業は2020年から手掛ける。在留資格の取得や日本での生活支援などを一貫して請け負う。江夏社長は「労働力として外国人の技能実習生を求める企業は多いが、将来を担ってくれる優秀な人材を海外に求める企業はまだ少ない。新しい採用の選択肢として活用してほしい」と話す。