地域経済 2025.06.05

熊野筆事業協同組合 〝筆使う人〟募り動画作成

インスタで熊野筆拡散、5カ年計画で産地振興へ

熊野筆事業協同組合 〝筆使う人〟募り動画作成

熊野筆事業協同組合(熊野町中溝、組合員76社、竹森臣代表理事=竹宝堂社長)は6月から〝筆使う人〟の募集を始めた。書、画、化粧筆など用途を問わず、筆を使う様子を捉えた動画を作成し、SNSを通じて筆の魅力や楽しさを発信していく。昨年は〝筆作る人〟の伝統工芸士13人を紹介する冊子などを作成。今回は産地振興を掲げた2029年度までの5カ年度事業計画の一環で、熊野筆が経済産業大臣指定を受けて50年を機に、筆類全体の伝統的工芸品指定を目指す。

募集は自他薦、年齢、職業、ジャンルなど一切不問。書や画、化粧だけでなく友禅や漆器などの工芸品、将棋の駒、鯉のぼりなど日本文化を支えてきた筆ならではの特性が生きる、あらゆる場面での撮影を想定。自作動画の応募も受け付ける。8月29日までの第一次募集は熊野町内に呼び掛ける。5カ年で150本を目標に同組合インスタに上げる。経済産業省の2025年度伝統的工芸品産業支援補助金を活用する。
筆生産量全国一を誇るものの、近年は穂先で使う天然毛をはじめとする原材料や道具の調達が難しく、職人の高齢化や後継者育成が課題。14〜18年度の産地振興計画で後継職人育成へマイスタースクールを実施した経緯がある。中国産などとの競合対策も悩ましい。一方で、4月に熊野の筆製作技術が県の無形民俗文化財に指定された。来年度には「書道」がユネスコ無形文化遺産への登録も期待されている。
使い手の動画拡散により興味や関心を喚起して幅広い世代や地域から潜在需要を掘り起こし、市場拡大につなげて職人の担い手を増やす好循環を狙う。竹森代表理事は「書筆だけが指定を受けているが、産地としてブランド価値を高めて画筆も化粧筆も含む熊野筆全体が伝統的工芸品の扱いとなることを願っている。使う人の声をどんどん発信し、広げていきたい」。今年度はタイ・マレーシア・UAE・台湾・香港、マドリッド協定国、中国に加え、新規にインドとベトナムで海外商標登録する。

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