訪問看護のあすか(西区南観音、菅富誉樹社長)を主体とするあすかグループは6〜7月、重症心身障害者を対象に身体介護を行う生活介護や重症児デイサービスと食品製造、飲食の複合施設「コア」を中区十日市町1ー6ー8に開く。介護食の製造などを通して障害児の家族が同じ場所で働けるようにする。県内で同様の施設は珍しいという。老健施設があった6階建てビルの1〜4階延べ約1200平方㍍を賃借し改装。1階に調理室やフリースペースを設ける。障害児の家族を雇用し、ペースト食などの嚥下調整食を製造する。当面は生活介護などの利用者の食事に活用し、通販や同業への販売も構想している。ネイル、英会話、タッチケア(マッサージ)などの教室を開き、障害児家族に講師をしてもらう。介護疲れや体調悪化に伴う頻繁な呼び出しなどで就労を諦めるケースが多く、柔軟に働けるようにする。ベッドになる椅子などをそろえ、医療的ケアが必要な修学旅行生などに休憩場所として開放。飲食の期間限定出店を誘致し、一般客も呼び込む。担当者は「障害者と健常者が互いの雰囲気を感じられる場所にする。多様性を認め合い共生する『インクルーシブ』な社会の実現への第一歩としたい」と力を込める。内装費などに充てるため、クラウドファンディングで支援を募る。これに先立ち、中区十日市町の生活介護事業所と、本社所在地の重症児デイサービスを2〜3階に移転し、2月初旬に開所。医療的ケア児等コーディネーターの有資格者による相談支援のほか、保育所などを訪ねて発達支援を行う保育所等訪問支援も始めることで、切れ目のない支援体制を整える。

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