NPO法人郷野の郷運営委員会(安芸高田市、水藤邦夫理事長)は、2019年に閉校した旧郷野小学校(同市吉田町)の校舎や校庭、体育館などを市から3月に取得した。環境整備を進めた後、企業のサテライトオフィスでの貸し出しなどを計画。5月16日からクラウドファンディング(CF)「レディーフォー」で資金調達を始めた。
同小学校は1935年に当時の郷野町の2年分の予算をかけて建築された木造2階建ての校舎。左右対称の伝統的な造りで、65㍍の長い廊下や幅広い階段などノスタルジックな魅力がある。地域住民が主体で、閉校後も毎月の校庭の芝刈りや清掃を続け、約5年にわたる交渉の末、市からの譲渡を完了した。
CFは400万円を目標に6月30日まで支援を募る。調達金は電気・水道・ネット環境の整備、トイレの改修費用などに充て、今秋から一部の事務所利用を始める計画。オフィスとして教室を貸し出すために必要な消防・建築など法に基づく整備を継続して進めた後に利用先を募る。当面は校庭での音楽フェスや映画撮影、ワークショップなどの利用を促す。増野一幸理事は「校庭での企業運動会や教室の商談利用など、企業との連携の可能性を探っている。90年を経てもゆがみが少なく保存状態の良い、全国的にも価値のある建造物だ。10年後の建設100年に向けて着実に歩みを進めたい」と話した。
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